平成25年3月21日
八尾〜横田〜名古屋〜八尾
平成25年2月某日のトレーニング終了後、教官から「3月に横田に飛べますが、参加されますか?」と打診。
そりゃもう、何があっても行きますと即答。
何せ現役の米軍基地であるから普通では絶対に降ろすことなどできない。
今回は基地周辺空域の衝突防止のための会議を開催するためということでフライインが実現した。
事前にパスポートもしくは運転免許証のコピーなどを提出し、参加の申し込みをする。
AOPAからは山のような資料がメール添付で届いた。
日本列島は前日かなり激しい雨。
前日2100時の850hPaの高層天気図ではほぼ日本列島全域が湿域に覆われていた。
当日0300時の速報図では四国から伊豆半島あたりまでは低気圧の勢力範囲、ただし低気圧の動きは速く、その後ろから高気圧が迫ってきていたのでもしかしたら午後あたりからは天候が回復するかなぁ、という感触だった。
90%くらいあきらめの境地で0730時八尾着。
同乗していただく教官に「今日はやめときましょうか」とおたずねしたら「先方の事務局から必ず来て下さいと言われたからなぁ。」とのお返事。
当初の予定では横田に飛来する飛行機は40機。
管制は大忙しになるので到着時刻は予め3分単位で割り当てられていた。
私の機に割り当てがあったのは0948時。
となると遅くとも8時には離陸しないと間に合わない。
ところが前日に事務局の判断でVFRで飛来予定の機体はすべてキャンセルとなった結果当日飛んでいくのは八尾からIFRで向かう3機だけとなり、1030時までに到着すればよくなった、ということで離陸は0830時となったのだった。
八尾はこんな感じ。
VMCだけど3000ftあたりでインクラウドしそうだ。
この日は東に向かうのでASUKA FOUR DEPでASUKAポイントに向かいその後は河和VORTAC 静岡VOR 横須賀VORからダイレクトで横田TACAN(但しTACANは受信できない)のプラン。申請高度は7000ft、距離にして266nm、時間にして156分の行程となる。
外部点検を済ませ、エンジン始動前の点検を行い、いよいよエンジン始動、、、と思ったらバッテリーが弱っているのかスターターの回転が弱い。
始動しかけるのだが回転が続かない。
仕方が無いので事務所に電話をかけて外部電源をもってきてもらうことになった。
外部電源を注入した結果無事エンジン始動。
エンジンランナップをしていたところ八尾GNDより、「申請高度は7000ftですがセントレアから9000でお願いしたいとのことですがいかがでしょうか」と問い合わせが。
9000なら問題無く上昇できるので了承する。
0830時八尾の27より離陸。
ASUKA FOUR DEPは初めてだった。
離陸後YOEのR280をインターセプトし、上昇しながら7.1Dまで飛行中。
その後右旋回し、KCEのR085をインターセプト、40.5DMEの地点がASUKAポイント。
5000ft手前あたりからインクラウドになる。
先に出発した機体からは9000ftではオントップとの情報が来る。
7000あたりではインクラウドのままだったから9000ftをアクセプトしたのは正解だったようだ。
7500ft、未だインクラド。
おっとっと、9000ft過ぎちまったぜい。
下は一面雲(の絨毯?)。
太陽が反射してまぶしい。
あ、高度が下がってる、、orz。
陸地が途切れると雲も途切れる。
先行機からは雲が途切れたあたりで20秒ほど擾乱があるという情報があったが本当に結構な揺れを体感した。
この日は結構な西風が吹いていた。
GSは150kt。
行くのはいいが帰りが思いやられる。
順調に河和VORTACに向け飛行中。
どうやらカメラマンは眠っていたか気を失うかしていたらしい。
ここはすでに伊豆半島上空。
当初 静岡VORから横須賀VORTACのプランだったが東京CTRLから静岡VOR 大島VORTRAC 横須賀VORTACに変更する様指示があったため大島VORTACに向け飛行中。
このしばらく前から9000ftでもインクラウドになっていた。
外はこんな感じ。
結構激しく降雨中。
今回幸いなことに9000ftでも外気温は+8度くらいだった。
これが0度に近づくとアイシングが怖いのでオルタネートで入れてあった静岡空港へ向かわざるを得なくなるところだった。
大島VORTACから横須賀VORTACに向かう途中で管制は横田APPにハンドオフ。
多分気を使ってゆっくり話してくれているんだろうが、やはり聞き取りにくい。
ファイナルに向けレーダーベクターが始まると思われたのでGPSに横田TACANへのダイレクトコースを表示してみた。
横田APPの指示に従い、横田のFinal Crsをインターセプトするために西へ向け飛行中。
RJTR(座間)、RJTA(厚木)付近を飛行中。
横田のILS RWY36APPのGS CAPTUREは2200ft。
2200ftに向け降下中。
ほんまこの日はHOOD不要。
ずーーっとアクチュアルにIMCだった。
しかもかなり激しく雨漏りするし。
対地600ft。
まだ、リアルにIMC。
やっと地面が見えてきた。
写真には撮れなかったが、基地内には滑走路端を横切るように道路が走っていて結構な交通量になっている。
VFRで到着するときは800ft以上を保って道路上空を通過すれば赤信号は出ないのだがIFRで到着するとILSの電波に障害を起こさないためか、赤信号が出て交通がストップするようになっている。
私が降りたときはその道路は長蛇の列になっていた。
待たされていた人たちは「こんな小さな飛行機のために待たされた。」と怒っていたかも知れない。
いろいろあったけど1048時、無事到着。
追い風のおかげで予定より24分はやく着いた。
実はここの滑走路、3350mと長すぎるので小型機は真ん中の1000mくらいの枠の中に下ろすようになっている。
というわけで滑走路末端を過ぎてからしばらくはローアプローチ状態で滑走路の真ん中あたりまで着陸を伸ばしたのだった。
左上のハンカチは漏れてきた雨水を止めるためにバイザーにはさんだのだった。
お!
KC10のお尻も見える。
降りた後はFOLLOW ME CARに従い地上走行。
まだかなり雨が降っている。
基地内の誘導路は普通の道路みたいにゆるやかなカーブがあったりして、ドライブもなかなか楽しかった。
黙って俺について来い、と。
そう、ここは米軍基地なのだ。
消火器も馬鹿でかい。
ヤマトの消火器とはわけがちがう。
雨の中、待っていてくれたんだ。
ホンマスマンカッタ。
このあと若い兵隊さんの運転する車で会議場へ。
この日飛来したのは本当に八尾から出た3機だけ。
あとは調布や本田から来る予定だったがVFRで飛来する予定だったのですべてフライトはキャンセル。
おかげで到着時刻を気にせずに飛べたのは幸いだった。
会議の様子。
一応皆さんまじめに参加。
この日関東の方は電車、バスで参加。
八尾から自家用車で駆けつけた方もおられた。
参加していたのは100人ほど。
中には北海道からこられた方も。
会議なのだ、と。
当日の昼食。
見た目はあれだけど、なかなかどうしてうまかった。
ステーキも硬そうに見えたが実際はそうでもなかった。
残念ながらビールは出なかった(笑
デザートがこれ、巨大なケーキ。
右側がチョコレート風味。
一かけらだけ頂いた。
絵柄はどうやらプリンターみたいなもので描いてある模様。
会議の会場。
C130のエンジンを整備する場所らしく、いたるところに巨大なエンジンやらプロペラやらがおいてあった。
会議の後は基地内のタワーやラプコンを見学。
え?ほんまにええの、と思いつつ見学させていただいた。
しかもストロボを使わなければ写真撮影もOKだった。
私は残念ながらカメラが電池切れのため撮影できず。
帰りは燃料が心細かったので名古屋経由。
名古屋の燃料屋さんには3時離陸と予想して1630時ごろ到着予定と電話。
実際は基地内の見学で時間が押してしまい、離陸は1530時。
しかも上空は強い西風。
こりゃ1630時到着は無理だわなぁ。
ここから見る限りは天気はよさそうに見えたのだが、、、。
以下カメラの電池がなくなったため、文章のみにてお楽しみください。
帰路は横田から芦ノ湖を経て静岡VORへ、静岡VORからIFRで河和VORTCを経由して名古屋空港のプランを出していた。
ところが横田から南西方向に向かい、海が近づくにつれてシーリングが下がり伊豆半島にさしかかるころには1000ftでもVMCを保つのが難しくなってきた。
当初は伊豆半島上空を横切るつもりだったがそんなことをしたら命がいくつあっても足りない状況だった。
こういうときはコーストラインを横目で見ながら半島を回り込むのが正しい飛び方だろう。
半島を回りこんで御前崎の東側に到達するころには雲は晴れ、青空も見えてきた。
そのまま西進し、浜松TCAのカバレッジに入ったところで「土日休み」とチャートに記載されてはいるが浜松TCAにコンタクトしてみた。
幸いなことに応答があり、TCAアドバイザリーをお願いするとともに当初のプランを河和VORTACから名古屋へIFRに向かうプランに変更する旨を伝える。
しばらくして、浜松TCAを離脱したらセントレアAPPにコンタクトするよう指示があった。
浜松TCAを離脱後セントレアAPPから4000ftに上昇し、河和VORTACに直行する旨の指示があり、これに従う。
結局名古屋へは141分かかって1752時に到着、八尾から横田に行くより長くかかってしまった。
ただちに燃料20ガロンを給油し、1819時離陸。
八尾の門限は1930時なので少し気が焦る。
本来なら練習のためIFRで帰りたいところだが、時間がないのでVFRで最短距離で帰る。
亀山〜奈良のルートを飛行するが、山間地で北風が強いためかなり揺れる。
すでに日没なので山の上で揺られるのはあまり気分が良くない。
王寺ポイント経由で横風10ノットの八尾に到着したのは1915時。
皆さんほんま長い一日、お付き合いいただきありがとうございました。