学科試験を受験(受かっていれば初めの0.5歩くらい)


 自家用を取得した昭和60年頃学科試験は年3回の実施だった。
 複数科目受験する場合は科目合格があるとはいえ自家用でも5科目を勉強しなければならなかったのでそれなりに大変だったし、合格できなければ次の試験は4ヶ月後になり訓練期間も延びることになる。
 しかも、すでに訓練は始まっていたのでそれなりのプレッシャーを感じつつの受検だった。
 
 現在は学科試験は資格にもよるが年6回実施される。
 計器飛行証明に関しては計器飛行一般という科目だけなので自家用の時よりかなり気が楽。

 今回計器飛行証明の学科試験を受けてみようと思い立ったのが平成21年7月。
 AIM-Jやスタディガイド(問題集)を買いそろえて暇を見つけては少しずつ勉強した。

 7月から学習を始めれば9月.11月に受験の機会があったのだが残念ながらいずれも既に予定が入っていた。
 というわけで平成22年1月24日に受験することになった。

 12月に受験申請を済ませた。受付期間はわずか一週間。
 2ヶ月に1回は受験機会があるとはいえ、この歳になると試験勉強は忘却との戦いである。勉強のために使う時間も手間も無駄ではないが決して馬鹿にできない。
 できれば一回で合格したいので1月に入ったらいよいよ追い込みである。

ところが

 受験票が届かない。
 試験日は1月24日だから2週間前の1月10日くらいには届きそうなものだが1月14日になっても届かなかった。
 さすがに不安になって航空局に電話をかけてみた。
 「遅くなって申し訳ありません。昨日発送致しました。もし1月19日になっても届かなかったら再度ご連絡下さい。」とのことで一応安心したが、、、やはり正月休みをはさんだから遅れたのだろうか、、、。
 
 受験票は無事1月15日に手許に届いた。
 試験会場は受験票に記載されている、、、、どうやら大阪市内の貸し会場らしい。
 最寄り駅から徒歩での時間は記載してあるが略図なんかは一切無し。
 それくらいは自分で調べて来なさい、ということか。
 
 西日本は名古屋、大阪、福岡、宮崎、那覇での実施だからかなり広範囲から受検に来られると思うが遠くから来る人は不安だろうなぁ。



 受験票はこんな感じ。
 25年前に自家用の学科を受けたときはハガキ大だったが現在はA4サイズ。
 しばらく見ないうちに大きく育ったもんだ。

 一番下の写真が貼ってある部分は反対に折り返しただけで切れてしまいそうな「切り取りやすい」ミシン目が入っていて、ご丁寧に「切り取った場合、この受検用は無効となります」という殺し文句が書いてある。
 取扱注意である。
 私は指示に従って写真を貼付した後はできるだけミシン目に負担をかけないよう大切に封筒に入れて保管していた。
 


 これが受験票本体。
 最寄り駅から会場までの徒歩での所要時間が記載されている。
 大阪の方に聞けば「あぁ、あそこでっか。」と言われる様な場所らしいが、京都に住んでいる私は全くなじみのない会場だった。
 

試験会場まで
 平成22年1月24日、いよいよ試験当日。
 試験開始は1330時。
 最寄り駅からは6分程度で到着だが慣れない場所なのでロスポジの可能性もある。
 最寄り駅には1時間くらい前に着くのが得策だろう。

 というわけであらかじめ電車の時刻を調べた上で1115時自宅出発、1227時最寄り駅着。
 なかなかいいペースだ。

 さて、事前に調達した(Google提供の)チャートにより最寄り駅6番出口から南へ4筋、NTTドコモのビルを右手にチェックしたら直ちに右90度旋回、西へ3筋目目的地上空というプランを立てていたのだが出口を出た途端にロスポジ。
 何せ東西南北がわからない。
 出口付近に掲示してある地図を再度確認し、あたりをつけて南と思われる方向に向いて2筋ほど歩いて通りの名前を確認したらたら、、、、あらら、これは北向きだった。

 直ちに180度右旋回をしてようやくオンコース。

 その後は順調にNTTドコモのビルをインサイトし、右90度旋回したが、えええええ本当に合ってるのか?

 と思いつつ歩くこと約2分。
 大きな看板が目に飛び込んだ(ら痛いなぁ)。まるで夜間飛行の時に飛行場灯台を見つけたときみたいな安堵感が胸一杯に、、、、。



 とりあえず会場は確認できたので安心したら急に空腹感が。
 まだしばらく時間があるのでどこかで昼食でもと思うがさすがオフィス街、日曜日に開いているのはコンビニくらい。

 大きな通りまで出たら全国チェーンの店(Y野屋とかMドナルドとか)があるかもと思ってしばらく歩いたが見あたらず、仕方なく目についたコンビニで軽食を買うことにした。

 店に入ったところで店員さんに道を一生懸命たずねている人がいる。
 「ははぁ」と思ったが自分の低血糖症予防が先決である。

 3個だけ残っていたおにぎりの中から2個と野菜ジュースをピックアップしてレジへ。

 そこでは先ほどの方がまだ道を尋ねておられた。

 手許を見ると私がもっているのと同じA4大の用紙が。
 「航空従事者試験ですか?」と尋ねると「そうです。」と。
 試験開始まであと1時間を切っているのでかなり焦っておられるのだろう。
 「その道をまっすぐですよ」と教えてあげられたのはその人にとってもコンビニの店員さんにとっても私にとっても幸運だったと思う。
 せめて簡単な略図でも書いてあればコンビニの店員さんだってわかるんだろうけど。

 コンビニの店員さんに何回もお礼を言っていただき、気分良く試験会場に戻ったのが開始40分前。

 
 会場前に掲示されていた掲示。
 受験票に記載されている受験番号は12桁だが席次表には下4桁のみ記載。
 間違うことはないだろうけど、、、、。

 

 今回計器を受けるのは30人。うち回転翼は2人。
 掲示で自分の席を確認して着席し、先ほど購入したおにぎりで簡単な昼食を済ませる。
 周囲の方々は過去問を解いたりして何となく落ち着かない。
 私もつられてAIMを眺めたりしているうちに試験官が到着。

試験開始

 最初に配られた解答用紙に受験番号、科目番号、生年月日、氏名などを記入する。

 試験は4択で20問だが解答用紙は8択で40問まで回答できるようになっている。

 いろんな試験を受けたがこんな解答用紙は初めて見た。
 25年前の自家用の解答用紙だって黒インクで印刷されたマークシートのまがいのもの(あれはどう考えても人間が採点したと思う)だったが問題数と解答欄の数は合っていた。
 そんなことはないと思うが解答欄を間違えたら目も当てられないわなぁ。

 などと考えているうちに問題用紙が配布され定刻の1330時に試験開始。

 NAV-LOGは普段なら20分くらいで完成させるのだが今回は充分時間があるのでWCA、GS、Z-TIME、Z-FUELなど全部2回ずつチェックした。

 それでもかかった時間は45分。

 LOGを完成させるためには風向風速を正確にプロットしなければならないがどうしてもある程度の誤差が出る。
 その誤差を含んだWCAやGSを使ってCH、Z−TIME、Z−FUELを計算するからここにも誤差が生じる。
 ちょっとずつの誤差を含んだZ−TIME、Z−FUELを積算して所要時間や所用燃料を計算するからここにも誤差が生じる。

 そして誤差を積算したようなLOGが完成する。
 
 だから、問1から問6のNAV-LOG絡みの問題では選択肢は「一番近いもの」といういささかファジーな与え方がされている。

 今回出された高度と気温からCASを計算する問題は設定気温が−12度
 計算盤の気温は5度刻みでしかもかなり細かい目盛りだから正確に合わせるのが難しい。
 その上正解に近いと思われる選択肢は149ノットと151ノット。でも出てきた答は150ノット。
 計算盤さえ正確に合わせることができれば楽勝な問題だが老眼の身にはちょっと辛い。
 (冷静に考えれば外側に180、内側に151を合わせれば12000フィートのところに-12℃が来た。発想の転換も必要らしい)

 問7から問20はいろんな分野から問題が出る。
 ほとんど過去問を押さえていれば回答できそうな問題だが今回全く見たこともなかった問題が出た。

 問17 非精密進入方式及び精密進入方式(CAT I)の最低気象条件におけるフル.ファシリティの構成について正しいものはどれか。

 スミマセン、知りません。許して下さい。
 全く押さえられていませんでした。
 でも知っておいて損は無い。次回(受けることになるのか?)の糧にしよう。

 それから問13のILSについても設問も今回は選択肢がかなり変えられていて残念ながら落としてしまった。

 そのほかにもいくつか落としているみたいなので合否は、、、、、、、微妙。

 最後に、いずれ国土交通省のHPからダウンロードできるようになるが今回の問題とLOGの用紙を晒しておこう。
 汚い字で書き込みがしてあるが、私の当日の七転八倒の痕跡である。
NAV−LOGのZ−TIMEに小数点以下の数字が書き込まれているのは実際飛ぶに当たってはナンセンスだと思う。
しかし、過去問を解く中でどうやらこちらの方が誤差が少なくなると思われたのでこのような解き方をしてみた。
これが吉と出るか凶と出るか、、、、。

ここをクリック